喜劇 駅前飯店
監督 | 久松静児 |
製作 | 佐藤一郎、金原文雄 |
脚本 | 長瀬喜伴 |
【配役】
- 徳清波 ……………. 森繁久彌
- 孫五林 ……………. 伴淳三郎
- 周四方 ……………. フランキー堺
- 徳けい子 ……………. 淡島千景
- 孫とめ ……………. 乙羽信子
- 芸者染太郎 ……………. 池内淳子
- 紅生姜 ……………. 森光子
- 林奇根 ……………. 山茶花究
- 孫久美子 ……………. 大空真弓
- 健太郎 ……………. 高橋元太郎
【あらすじ】ネタばれあり
新橋・雷燕飯店のコック徳と横浜でラーメン屋をやっている孫は大の仲よし。徳はけい子という日本人の女房に、もう一軒店をもたせている。孫も日本人の女房をもち、二人の間には久美子という娘がいる。彼らは、貿易商をやっている周の親父から料理の教えをうけたのだった。ある日、周は孫の紹介で易占い紅生姜のところを訪ずれた。親父の遺産で徳や孫と共同で駅前飯店を経営しようというのだ。だが一緒に仕事をするには仲間が悪いというオツゲ。彼は共同をやめることにした。そんな決心をして帰った後、顔をだしたのは紅生姜の亭主で悪質な土地ブローカー。紅生姜にこう言わせたのはこの亭主林の仕業である。
こんなことがあって以来、周と徳の仲は急に悪くなっていった。徳の家では女房のけい子が、彼女に内緒で店を売り、林が客をつれて買いにきたと言うのだ。そんな折も折、徳に香港にいる父親が死んだという電報が舞いこみ徳は香港に渡った。数日が過ぎ、親父の葬式をすませて徳が帰ってきた。遺産継承者であるはずの彼が香港から持ち帰ったのは亡父愛用の庖丁だけ、しかし、周の親父が不老長寿の聖梅酒の文献を日本に残しているというビッグ・ニュースを仕入れて帰ってきた。彼らはこの文献の発見に血眼になったが見当もつかない。そこでまたまた紅生姜のところに出かけた。例によって林が全てを聞いている。うまい話だ、とほくそ笑む林もこの問題に一丁加わる破目になった。彼は、徳が香港から帰った時、一緒にやってきた陸金楼にこの文献を高く売りつけようとたくらむ。駅前飯店経営の大きな財源になるこの文献をめぐって大騒動が巻き起るのだった……。
※「あらすじ」はキネマ旬報データベースの内容を元に誤記の修正や加筆を行いました。