サラリーマン忠臣蔵

サラリーマン忠臣蔵・続サラリーマン忠臣蔵

監督 杉江敏男
製作 藤本真澄
脚本 笠原良三
作品時間 100分/100分


会社名 赤穂産業/大石商事
業種 商社
社長名(専務) 大石良雄
ロケ地 東京

【配役】

  • 大石良雄 …………….  森繁久彌
  • 大石律子 …………….  久慈あさみ
  • 大石力 …………….  夏木陽介
  • 浅野卓也 …………….  池部良
  • 芸者加代次 …………….  新珠三千代
  • 吉良剛之介 …………….  東野英治郎
  • 小野寺十三郎 …………….  加東大介
  • 大野久兵衛 …………….  有島一郎
  • 大野定五郎 …………….  三橋達也
  • 大野小奈美 …………….  団令子
  • 寺岡平太郎 …………….  小林桂樹
  • 寺岡軽子 …………….  司葉子
  • 早野寛平 …………….  宝田明
  • 伴内耕一 …………….  山茶花究
  • 桃井和雄 …………….  三船敏郎
  • 角川本蔵 …………….  志村喬
  • 足利直義 …………….  柳永二郎
  • 堀部安子 …………….  中島そのみ
  • 吉田課長 …………….  宮田羊容
  • 原課長 …………….  大友伸
  • 岡野 …………….  児玉清
  • 磯貝十郎 …………….  江原達怡
  • 赤垣源蔵 …………….  藤木悠
  • 竹林唯七 …………….  八波むと志
  • 倉橋伝介 …………….  沢村いき雄
  • 才子 …………….  草笛光子
  • アンリ・リシャール …………….  ジョージ・ルイカー
  • そばや「山科」の親爺 …………….  柳家金語楼

【あらすじ】ネタばれあり

●サラリーマン忠臣蔵
 丸菱コンツェルンでは、同財閥で招待したアメリカ経済使節団の到着を明後日にひかえ、その 準備に大わらわだった。本社には足利直義本社社長を中心に、赤穂産業社長浅野卓也、丸菱銀行頭取吉良剛之介、若狭金属社長桃井和雄ら十八社の社長たちが集った。その場で接待委員長吉良と委員桃井は先方への贈物の兜のことで論争し、浅野になだめられた。
 その夜、浅野はヨーロッパに出張する専務大石良雄の壮行会に出席した。席には浅野の恋人で芸者の加代次も加わった。会が終わって大石は浅野と懇談し、浅野に加代次との結婚をすすめた。
 若狭金属の角川専務は、桃井社長が吉良と口論したのを聞き、会社に災難が降りかかるのを危惧し、彼の秘書伴内を通じて吉良に大判を献上した。吉良はご満悦、だが、加代次が浅野を好きだと知って、浅野を憎んだ。
 使節団来訪の当日、式場に遅れてきた浅野を吉良は罵倒し、こらえかねた浅野が吉良を松のロビーで殴打した。浅野は接待委員をクビになり、足利大社長から謹慎を命じられたが、傷心の浅野は会場を出て自ら運転する自動車の事故で急死してしまった。
 赤穂産業の後任社長には吉良が乗りこみ、小野寺部長、吉田課長は左遷され社内の空気は一変した。それなのに帰国した大石は何故かバー祇園に入りびたり。血気にはやる社員の堀部安子、赤垣、竹林、磯貝らは怒った。早野は辞表を出した。大石も息子力と大野常務の娘小奈美との縁談を吉良に妨害されて遂に腹を決めた。大石は外国商社との契約を個人契約に切換え、新会社設立に踏み切った。吉良社長就任披露宴の席で、大石は小野寺、吉田、原、吉岡らとともに、吉良に辞表を叩きつけた。

●続サラリーマン忠臣蔵
 貸ビルの一室を借りて大石商事は発足した。赤穂産業からも同志の社員が続々と参加、元エレ ベーターガールの堀部安子も加わり、その数は四十七名に達した。社長大石良雄は天野化学の肥後常務を、才子の経営するクラブに接待した。だが先方がヌラリクラリで一向に埒があかない。大石はそこで元タイピストの軽子が働いているのを見て驚いた。軽子は夫の早野寛平が定五郎殺人未遂事件で起訴され、やむなくホステスをしているのだった。
 商談が成功せず、給料も払えぬ苦境に陥った大石は、自分の邸宅を売り払い、妻の律子を実家へ帰して、自分は寺岡の下宿に転がりこんだ。息子の力は、恋人小奈美と吉良の親戚上杉家との縁談が進められていることに悩んでいた。
 商工会議所にまで手をのばした吉良の妨害で商談はことごとく失敗、大石商事は苦境のどん底にあえいだ。寺岡は肥後が軽子に惚れているのに目をつけ、軽子に肥後の言うことを聞くよう頼んだ。軽子は夫ある身、聞き入れるわけにはいかない。同じアパートにいる才子は、ひたむきに会社を心配する寺岡に心をひかれた。大石にとって最後の道は、天野化学社長・天野義平に直談判することだった。すると意外、天野は即座に契約を取りかわした。肥後が吉良の秘書伴内に買収され、今までの商談を天野に取りついでいなかったのだ。これにより大石商事の業績は急上昇した。そして、その利益で大石は赤穂産業株の買占めにかかった。
 十二月十四日、雪の降る日だった。大石は社員一同をそばや「山科」に集合させた。これより赤穂産業の株主総会に乗り込み、吉良社長の退陣を迫る本心を社員に打ち明けた。株主総会は大荒れとなった。「山」と「川」の合言葉で攻防を展開する大石の作戦は、才子から預かってきた議決権で遂に吉良を押しまくった。大石商事は赤穂産業と合併、桃井が新たな赤穂産業の社長となる一方、大石が専務に返り咲いた。
※「あらすじ」はキネマ旬報データベースの内容を元に誤記の修正や加筆を行いました。