社長三代記

社長三代記・続社長三代記

監督 松林宗恵
製作 藤本真澄
脚本 笠原良三
作品時間 85分/94分

DVDは「続社長三代記」を含む2枚組

会社名 福富電機工業
業種 家電メーカー
社長名 浅川啓太郎
ロケ地 東京

【配役】

  • 浅川啓太郎(二代目社長) …………….  森繁久彌
  • 浅川厚子 …………….  久慈あさみ
  • 長谷川清(社長秘書) …………….  小林桂樹
  • 福原ヨネ(先代未亡人、会長) …………….  三好栄子
  • 福原トメ子 …………….  雪村いづみ
  • 大場太平(三代目社長) …………….  加東大介
  • 大場まつ子(太平の妻) …………….  杉葉子
  • 大場春枝(長女) …………….  団令子
  • 長谷川ちよ(清の母) …………….  英百合子
  • 中村明子(秘書) …………….  司葉子
  • 松村俊夫(新入社員) …………….  太刀川洋一
  • 池田定吉(経理部長) …………….  三木のり平
  • 奥村(姉妹会社専務) …………….  有島一郎
  • エミ(バーのマダム) …………….  中田康子
  • 梅千代(新橋の芸者) …………….  扇千景
  • うさぎ(半玉) …………….  笹るみ子
  • 通訳 …………….  トニー谷

【あらすじ】ネタばれあり

●社長三代記
 福富電機工業は創立十周年を迎え、関西から先代社長未亡人で会長のヨネと令嬢トメ子も列席して、盛大な祝賀会が催されて いた。その後、トメ子が撮影した8ミリ映画の映写会が催され、先代社長に怒鳴られてペコペコしている啓太郎の惨めな恰好が映し出された。そんな中にあって、大場営業部長だけは、先代社長の姿が出て来ると、こみ上げる涙を押さえることが出来ないといった様子だった。
 さて、啓太郎は技術提携のため近々渡米する予定である。旅行準備の買い物のため、啓太郎はその日、妻厚子と同伴で買物に出掛けねばならない。ところが彼はやむを得ぬゴルフ大会があると偽って、この買い物の同伴を秘書の長谷川に命じ、自分は新橋芸者梅千代の元へ出掛けた。しかし、その日の昼下り、梅千代と一緒の啓太郎は長谷川と一緒の厚子と街でバッタリ鉢合せ。梅千代の買物包を持たされていた啓太郎は、とっさの機転で厚子に向かい、買物包をゴルフの賞品だと言ってゴマかした。彼はにわかに方向転換して夫人の後に従い一路帰宅。
 こんな具合でともかくも啓太郎は、無事羽田を出発し米国に向かった。留守中の社長代理には、ヨネ未亡人が8ミリ映写会で泣いていた営業部長大場を指名した。途端に長谷川は社外の雑用から一切解放され、手持無沙汰になってしまった。
 やがて啓太郎が技術提携の目処を立て、アメリカから帰って来た。彼の目的が達せられたので、提携先を招待して祝賀パーティーを開催。その席で、酔った啓太郎が池田経理部長とともに、炭坑節を踊ったが、それは見ていた先方の社長夫人が退席するような品のない内容だった。トメ子がこの撮影の好材料を見逃すことなく、そのフィルムが未亡人ヨネ会長の元で映写され、会長が激怒した。たちまち啓太郎は系列の福原商事ニューヨーク支店長を命じられ、大場が正式に福富電機工業三代目社長に就任することになった。

●続社長三代記
 福富電機工業の二代目社長浅川啓太郎は、初代社長の未亡人ヨネ会長の命により、福原商事ニューヨーク支店長にさせられ た。そして三代目は叩き上げの質実剛健型の営業部長大場太平が選ばれた。しかし会社幹部により催された、太平の社長就任祝賀会で、太平が初代社長の女修業に感心して、女装しての踊りまでやる大転向ぶり。それからというもの、太平は関西に出張すれば、バーのマダムお園と浮気をしたり、東京でも、年増芸者の〆駒などと派手な浮気振り。この状態を知った姉妹会社福原産業の専務で福富電機の社長の後釜を狙う奥村が探偵を雇って、太平の浮気の証拠収集を始めた。
 春枝の恋人松村が太平のところに結婚の許しを求めて挨拶に来たが、許しを得られない。そこで春枝と松村は二人で駆け落ちすることにした。そしてその実行の日、太平の妻まつ子が血相を変えて、春枝が松村と家出したと書置きを持って、社長室に飛び込んできた。また直後に、そこに探偵からの浮気現場の録音テープを持って、ヨネ会長がやって来た。醜態の数々に太平は冷汗のかきどおしだった。
 そこにアメリカ帰りの二代目浅川が太平あてに電話して来た。ロビーでうなだれて、事の次第を報告する太平に、すっかり愛妻家に変わった浅川は、まつ子夫人と仲良やれと忠告するのだった。すっかり自分の生活を反省した太平は、浅川夫妻の仲人で、春枝と松村を結婚させてやった。長谷川も、やっと明子と式を挙げることになった。
  • 他のWebサイトで森繁の妻役を越路吹雪と紹介しているものがありますが、正しくは久慈あさみです。

※「あらすじ」はキネマ旬報データベースの内容を元に誤記の修正や加筆を行いました。