喜劇 駅前団地
監督 | 久松静児 |
製作 | 佐藤一郎、金原文雄 |
脚本 | 長瀬喜伴 |
「東宝 昭和の爆笑喜劇DVDマガジン」にて入手が可能です
【配役】
- 戸倉金太郎 ……………. 森繁久彌
- 権田孫作 ……………. 伴淳三郎
- 桜井平太 ……………. フランキー堺
- 小松原玉代 ……………. 淡島千景
- 戸倉銀之助 ……………. 左ト全
- 戸倉桂一 ……………. 二木まこと
- 権田かめ ……………. 森光子
- 権田一郎 ……………. 久保賢(のちの山内賢)
- 桃子 ……………. 黛ひかる
- 九作 ……………. 坂本九
- 君江 ……………. 淡路恵子
- 山上巡査 ……………. 千葉信夫
【あらすじ】ネタばれあり
東京郊外の新興のマンモス団地。この団地の開設前から暁天堂戸倉医院を開業している外科医戸倉金太郎は、妻を亡くして父親と一人息子桂一の三人暮し。老朽化した医院の立替を考えて土地を探している。その団地の脇に目下第二団地の建設が行われている。おかげでその辺の土地を持っている百姓で金太郎の幼な友達の権田孫作家は高価な家電品がくまなく揃っている。このマンモス団地の駅前に小料理屋高砂亭がある。ここの常連といえばマダムの君江をお目あての孫作や近所の連中だけ。孫作の長男一郎は目下浪人中で父親の意志で嫌々ながら予備校に通っている。戸倉金太郎は第二団地のそばにある孫作の所有地の一部を買って新しい病院を建てようと計画していたが、既にその土地は既に売れてしまっていた。しかもその現場で、その土地の一部を買ったというブローカーの平太と連れの美人があれこれと相談しているのにぶつかった。この連れの美人がこの土地を買って新しく病院を建てようという東京の女医小松原玉代だったから一大事。いきおいこんで孫作に談じこむと孫作は、ブローカーの平太が住宅を建てるからというので土地を売ったのだと弁明する。
その時、救急車が戸倉医院に横づけになる。中から運びだされてきたのは、先刻会ったばかりの女医の玉代だった。土地を見ての帰途、砂利トラックと彼女の乗用車が衝突したとのことだった。商売仇の当の相手と知った玉代もびっくりするが、仕方なく入院する。
同窓会の準備委員会の帰りに立寄った高砂亭で一郎は女給の桃子と知り合った。一郎は大学に行くよりも百姓を続けたいと思っている。このことで一郎は孫作と衝突し、一郎と桃子の二人は伊東へ家出をしてしまった。心中しているかもしれないという情報もあり、孫作は金太郎や君江と伊東に駆けつけてみれば、二人はケロリとしている。
たまには息抜きと、そのまま伊東に滞在する金太郎のもとに、桂一が急性肺炎という電話がかかり金太郎は急いで帰宅するが、幸い玉代の適切な処置で桂一は回復に向かう。そして玉代に母のようになついていく桂一に、金太郎は感心してしまう。だが、玉代と金太郎は土地のことがあるので、どうもしっくりいかない。逢うたびにいがみあっているが、どうやら二人ともお互いに相手を意識しすぎている。
1年後--丘の上には新しい第二団地のアパートがたち並んでいる。駅前の高砂亭も今では平太の改造でバーになっている。今はそこのマスターになっている平太は女房の君江の具合を心配して戸倉病院に電話をしている。どうやらおめでたらしい。電話を切る金太郎。その声に女房兼副院長の玉代が颯爽と往診に出かけていく。
※「あらすじ」はキネマ旬報データベースの内容を元に誤記の修正や加筆を行いました。