社長道中記

社長道中記・続社長道中記

監督 松林宗恵
製作 藤本真澄
脚本 笠原良三
原作 源氏鶏太 「随行さん」
作品時間 90分/87分

「続社長道中記」はDVD未発売

会社名 太陽食料
業種 食品
社長名 三沢英之助
ロケ地 東京、大阪、和歌山、名古屋、岐阜、静岡

【配役】

  • 三沢英之助 …………….  森繁久彌
  • 三沢福子 …………….  久慈あさみ
  • 三沢幸子 …………….  浜美枝
  • 桑原武 …………….  小林桂樹
  • 桑原まさ …………….  英百合子
  • 倉持善助 …………….  加東大介
  • 松浦敬子 …………….  団令子
  • 芸者ひょうたん …………….  新珠三千代
  • マダムえみ子 …………….  淡路恵子
  • 土井支社長 …………….  三木のり平
  • 島健太郎 …………….  加藤春哉
  • 山中先生 …………….  十朱久雄
  • 横山会長 …………….  左卜全
  • 女中サワ子 …………….  峯丘ひろみ
  • 列車の老婆 …………….  飯田蝶子
  • 同美人 …………….  飛島みさ子
  • 女あんま …………….  塩沢とき
  • 男あんま …………….  八波むと志
  • 秋山 …………….  石田茂樹
  • 日の出食品社長小山田 …………….  山茶花究
  • 旅館の女中(大阪) …………….  森今日子
  • 南海物産社長本田 …………….  三橋達也
  • 芸者〆丸 …………….  草笛光子
  • 高橋百子 …………….  中島そのみ
  • 養鰻業者近藤 …………….  田崎潤
  • 近藤宇奈子 …………….  岡村文子
  • 営業係長中村 …………….  太刀川寛
  • 運転手 …………….  大友伸
  • 番頭 …………….  谷晃
  • うなぎや近藤 …………….  藤原釜足

【あらすじ】ネタばれあり

●社長道中記
 太陽食料社長三沢英之助は会長からの指示で、成績不振の大阪支社の陣頭指揮を目的に、大阪へ出張することになった。随行 をおおせつかったのは堅物社員の桑原。彼は社長の旅先の浮気を封ずるボディガードとして選ばれた。桑原はその融通のなさでは定評があり、同期の中で一番出世が遅れている。彼の恋人で医務室の松浦敬子はそれが大変くやしい。桑原と敬子は幼い頃から気心が知れた仲で、近いうちの結婚を約束した仲でもある。
 さて社長と桑原はいよいよ出張に出発した。英之助は早速電車内で美人を見つけてちょっかいを出しかけたり、電車の中から電話でバーのマダムえみ子を白浜に呼び出したりする。到着翌日夜、電車の中で会った美人芸者ひょうたんをつれ出した英之助は、土井に桑原をまかせてご機嫌のナイトクラブめぐり。だがそこでバッタリと会ったのは桑原随行員。酔いつぶすはずの土井の方が、反対につぶれてしまっていた。
 舞台は白浜温泉へ飛んだ。英之助らは業者招待で海外にも販売網を持つ南海物産の本田社長の接待に大奮闘。だが本田はいつもの通り無愛想で、会場爆笑の宴会芸も彼の前では不発に終わった。その夜、英之助に呼び出されていた、バーのマダムえみ子が東京からやって来た。ほくそ笑んだ英之助は強壮剤を飲んで待ちかまえるが、それは風呂場で入れ替わった桑原の持って来た強力な睡眠薬で、二人がそれぞれ間違えて服用したからひと騒動。寝付けない桑原に対し、翌日夕方になっても起きない社長を心配して、東京から社長夫人と倉持、敬子が現れた。桑原は美人芸者ひょうたんと部屋に一緒にいたところを敬子に見られて、仲を敬子に疑われてしまう。
 翌朝ゴルフ場で本田に会った英之助は、まむしの缶詰のおかげでホールインワン(夜の男女の話)に成功し、上機嫌の本田と契約を結ぶことに成功する。敬子にむくれられ、くさった桑原は、英之助の道中記を夫人に告げると彼をおどし、敬子との仲人を約束させたのだった。そして、敬子に謝り続ける桑原だった。

●続社長道中記
 太陽食料の桑原武は前回の随行ぶりが評価されて、秘書課長に抜擢された。さらに、三沢社長夫人は桑原を一人娘の幸子の婿にと考え、倉持専務が夫人からの命を受け、縁結びにのりだした。驚いたのは、医務室の恋人の敬子である。
 そんな頃、土井大阪支社長が緊急事態の情報を持って上京した。ライバルの日の出食品が、浜名湖の養鰻場のうなぎを一手に買占める計画に出たという。南海物産から外国向けうなぎの缶詰の大口注文を受けている太陽食料には大ショックな話だ。英之助、土井支社長、桑原秘書課長の三人は養鰻業者近藤社長が滞在しているらしい名古屋に早速とんだ。
 名古屋で近藤社長の接待のために一席設けた英之助らであったが、先方はライバルの日の出食品に連れて行かれたらしく、現れない。怒った英之助は料亭を後にし、再び呼び出していた銀座のバーのマダムえみ子とホテルで落ち合ったものの、寸でのところで、近藤社長が見つかり、急遽長良川へ。
 途中、百子という女に財布を盗られたりの災難にあい、ようやく浜名湖の養鰻業者近藤社長の自宅を訪れた。しかし、近藤社長はのらりくらりとはっきりした返事をしない。そこで英之助は土地の芸者を揚げて近藤社長をご接待。だが、近藤社長夫人の妹で売れっ子芸者〆丸が桑原と意気投合してコップ酒の飲み比べを始めるし、英之助らの宴会芸の途中で近藤社長が退席してしまい、せっかくの宴会もオジャンになった。
 翌日、太陽食料への返事を保留にしたまま東京へ向かった近藤社長を追って東京へ戻った英之助は、〆丸からの情報で近藤社長を見つけ出し、一緒にえみ子のバーへ顔を出した。そこでわかったことだが、その近藤社長はえみ子とただならぬ関係だった。それから3人はホテルのラウンジへ。そこへ、桑原と彼を追ってきた〆丸が顔を見せた。東京での浮気が〆丸に見つかれば浜松の夫人へと筒抜けになると慌てる近藤社長を英之助がとりなして無事おさめ、その代わり、うなぎは太陽食料へという契約が成立した。桑原も、社長のとりもちで敬子と結婚が決まった。
※「あらすじ」はキネマ旬報データベースの内容を元に誤記の修正や加筆を行いました。