社長漫遊記

社長漫遊記・続社長漫遊記

監督 杉江敏男
製作 藤本真澄
脚本 笠原良三
作品時間 90分/86分

「続社長漫遊記」はDVD未発売

会社名 太陽ペイント
業種 塗料
社長名 堂本平太郎
ロケ地 北九州、長崎、別府

【配役】

  • 堂本平太郎 …………….  森繁久彌
  • 妻あや子 …………….  久慈あさみ
  • 娘可那子 …………….  中真千子
  • その夫周二 …………….  江原達怡
  • 木村進 …………….  小林桂樹
  • 母てつ …………….  英百合子
  • 山中源吉 …………….  加東大介
  • 妻よし子 …………….  東郷晴子
  • 多胡久一 …………….  三木のり平
  • れん子 …………….  淡路恵子
  • 〆奴 …………….  池内淳子
  • 大浦タミエ …………….  藤山陽子
  • 上野勝子 …………….  雪村いづみ
  • ウイリー田中 …………….  フランキー堺
  • ジョージ …………….  ジョージ・ルイカー
  • 権藤 …………….  河津清三郎
  • ホステスA子 …………….  塩沢とき
  • 堂本家女中 …………….  峯丘ひろみ
  • 天婦羅屋女中 …………….  小沢憬子
  • 河童旅館の女中 …………….  中野トシ子
  • マリリンの客 …………….  大友伸

【あらすじ】ネタばれあり

●社長漫遊記
 米国を視察して帰った太陽ペイント社長の堂本平太郎はすっかり米国カブレ。人前をはばからず妻のあや子へのキスしようと するし、会社ではレディファースト励行、女子社員のお茶くみ禁止、親しい仲ではニックネームで呼び合うこと、社用族行為虚礼廃止などを新方針として会社幹部に訓示した。また、平太郎は米国訪問中に新たな顔料の供給元としてジュピター社にコネを付け、早速日本でのその交渉を開始した。
 そんな頃、木村に縁談が持ち上がった。山中部長の紹介でタミエとの見合いである。木村は乗り気で、結婚の折の媒酌を堂本に願い出ると、見合い結婚を堂本に否定され、悩んでしまう。
 やがて、自社塗料を使用した若戸大橋の開通式に招待された平太郎は山中、木村と共に九州にやってきた。開通式の終わった夜、販売店招待の宴が開かれ、平太郎はこれを公式のパーティーとして認めることにした。宴会の途中、平太郎はなじみの芸者〆奴に誘われ、うまく旅館(「河童旅館」)にしけこんだまでは良かったが、そこに火事のサイレン。〆奴はあわてて火事の現場に手伝いに飛び出して行った。彼女は有名な若松の消防芸者だった。
 平太郎はホテルのバーカウンターでがっかりと一人酒。そこに偶然、東京のバー「マリリン」のマダムれん子が現れた。彼女はライバルの東西塗料の専務達と途中で会い同行し、そこにはジュピター極東支社長らも一緒だった。早速、平太郎はジュピターの支社長の席へ行って、話し始めたところ、通訳のウイリー田中に「日本の会社はゴチソウするのに堂本さんてケチンボでカタブツね、もっとイロの道で苦労してね」と言われてしまう。
 平太郎は唇を噛んで部屋に帰ったところで、れん子から電話があり、翌日の別府行きを誘われて、ようやく胸をおさめた。ところが翌朝、れん子との待ち合わせの場所に、「カー」を「かかあ」と聞き間違えた木村に呼ばれた妻あや子が現れた。急遽、別府へはあや子と一緒に、久しぶりの夫婦旅行となった。

●続社長漫遊記
 山中部長、木村課長と共に九州出張旅行の途中、妻あや子を東京から呼び出す形になってしまった平太郎は、休暇を取り、あや子と別府へと出掛けた。
 木村は山中部長から紹介されたタミエとの見合い結婚を、古くさいと社長から否定され、一時は断念したものの、タミエに対する気持ちがおさまらず、元気がない。見かねた多胡支社長が、仲に入ってタミエの家に乗りこんだが、多胡の推薦じゃ信用おけないと断られてしまった。
 その頃、ライバルの東西塗料の首脳連がジュピター極東支社と佐世保へ向かったという情報が入った。夫婦旅行も切り上げ、社長一行も負けてはならじと佐世保へ急行。その晩、社長一行は長崎でジュピター一行のために一席設けたが、東西塗料に先手を打たれて彼等は現れない。仕方なく、平太郎と木村は長崎芸者を呼んでウサを晴らすが、結婚に失敗したのは社長のせいと、木村が酔っ払って絡んできたので宴会はメチャクチャとなってしまった。
 そんな中、平太郎は芸者の桃竜と翌日にグラバー園でのデートを約束したが、その日グラバー園に現れたのは桃竜とウイリー、それに山中と木村だった。平太郎はそのまま成り行きで桃竜とウイリーに同行して、雲仙にまで行くことになった。その後、ウイリーをまいて、平太郎は上手く桃竜と二人きりになれたが、桃竜が急に胃痙攣を起こし、浮気は未遂に。
 東京へ帰った木村に、朗報が待っていた。山中部長のとりなしで、タミエが結婚に同意し、木村の家にやって来た。
 そして、太陽ペイントはジュピターとの契約に成功した。しかし、日章丸の就航レセプションへ妻と出席した平太郎は、東西塗料の専務に「今度国産でジュピターに負けない品質の顔料が量産されるのを知らない様子ですね。価格も外国の三割安、ウソだと思ったら通産省の試験所に問い合わせてみなさい」と意外なことを聞かされた。高い勉強代になってしまい、平太郎は渋い顔である。
※「あらすじ」はキネマ旬報データベースの内容を元に誤記の修正や加筆を行いました。