社長太平記

社長太平記・続社長太平記

監督 正編 松林宗恵/続編 青柳信雄
製作 藤本真澄
脚本 笠原良三
作品時間 94分/103分

「続社長太平記」はDVD未発売

会社名 錨商事
業種 下着メーカー
社長名 牧田庄太郎
ロケ地 東京、福岡、別府

【配役】

  • 牧田庄太郎 …………….  森繁久彌
  • 大森雄吉 …………….  小林桂樹
  • 朝日奈剛之助 …………….  加東大介
  • 会長岩子/芸者組合会長(二役) …………….  三好栄子
  • 牧田の妻登代子 …………….  久慈あさみ
  • 大森の母たま …………….  英百合子
  • 朝日奈てつ子/芸者麻理子(二役) …………….  団令子
  • 西乃家の女将お桂 …………….  藤間紫
  • マダムくま子 …………….  淡路恵子
  • 女給和枝 …………….  水野久美
  • 小竹まろみ …………….  笹るみ子
  • 秘書中村 …………….  久保明
  • 大福デパートの仕入課長間 …………….  有島一郎
  • 営業部長雨川 …………….  三木のり平
  • 本多 …………….  佐田豊
  • 西乃家の女中 …………….  三輪栄子
  • 女中マサ子 …………….  上野明美
  • 麻布洋子 …………….  越路吹雪
  • 芸者〆福 …………….  北川町子
  • 深尾キン子 …………….  春川ますみ
  • 白坪 …………….  小川虎之助
  • 白坪夫人 …………….  一の宮あつ子
  • さくら商会大山専務 …………….  山茶花究

【あらすじ】ネタばれあり

●社長太平記
 婦人下着メーカー“錨商事”の社長牧田庄太郎、大森専務、朝日奈庶務課長は戦時中、同じ艦 船に乗り合わせた中だが、現在はその序列がそっくり逆転し、同じ会社に在籍している。そんな錨商事は関西紡績の大資本をバックにした関西の“さくら商会”の東京進出迎撃に社運をかけることになった。勝負は大福デパートへいずれが製品を納入するかにかかっている。雨川営業部長では埒があかないため、大森専務自らが商談に乗り出し、大福デパート間仕入課長を待合で接待することになった。間は無類の女好き、商談そっちのけで庄太郎の女である女将のお桂に色目し、バー“くまん蜂”へ行けばこれまた庄太郎が惚れているマダムのくま子に手を出す始末。焼もちを焼いた庄太郎のために商談は目茶苦茶になってしまった。
 未だ独身の大森専務は庶務課長朝日奈の娘てつ子が好きだった。ある日てつ子から銀ブラに誘われ、胸躍らして出掛けてみると、父の調査を頼むと彼女は大森の気持ちも知らず、恋人の中村が待つ劇場に行ってしまった。大森はてつ子に頼まれた約束通り、ある日朝日奈の後をつけた。朝日奈の入った所は海軍キャバレー“くろがね”であった。昔の思い出にひたり、またそこに働く戦友の遺児和枝を慰めるために通っているのを知り、大森は朝日奈の行動に共感を覚えた。そこで大森はてつ子への好意を朝日奈に打ち明けた。
 大森と雨川は大福デパートとの契約に成功した。
 数日後、てつ子と中村との婚約を知ってがっかり。失恋のショックから出社の気力も失った大森の家に「工場出火」の知らせが届いた。大森は急を聞いて駈けつけた朝日奈と共に製品を必死に運び出し、その甲斐あって品物は無事に運び出された。社長の庄太郎はそれを目のあたりに見、会社再建のために奮起した。錨商事は“さくら商会”に逆攻勢するため福岡に支社を出す事になり大森が支社長となった。朝日奈の定年も五年延長された。

●続社長太平記
 支社開設の際にやってきた社長を迎えて錨商事の九州支社は大森支社長、朝日奈営業部長兼総務部長はじめ一同大はりきりである。しかし早速開かれたその夜の地元商工会議所の白坪理事はじめ地元業者を招待した宴会は招いた客がすべて代理出席。目的の白坪は現れないどころか、大森が芸者を助けて、それに絡んでいた白坪を大立腹させるに至り大失敗を喫した。もともとライバルさくら商会の地盤たる当地でのこの失敗はショックであった。早々に帰京する庄太郎は空港で同じく福岡に支店を開きに来たバーくまん蜂のマダムくま子に会い、意気投合し、くま子の店に向かった。大森は商売の交渉で白坪理事を小倉市役所に訪れたが、前夜のことからあっさり断られ、くさっているとかつて失恋した、てつ子に瓜二つの芸者麻理子と再会し、心ひかれる。
 一方、朝日奈は商売上交際していた福岡の著名なデザイナー麻布洋子と互いに心を近づけ、洋子は錨商事の嘱託になった。東京に帰ると岩子会長から九州支社の成績不振でしぼられ、思いあまった庄太郎はグラマー戦術を思い立ち、自らモデルをひきつれて福岡に乗り込む。洋子の司会で下着ショウは大々的に催されたが、招待されていた白坪には「中途半端なストリップ」と酷評された。
 さて白坪理事抱込みに失敗を続ける錨商事は、今度はさくら商会をしのぐ盛大な業者の温泉招待を思いつく。宴会場近くの旅館に入った庄太郎が、はからずも女連れのところを夫人に見つかり窮地に陥っている白坪理事を機転をきかして救う。感謝感激の理事はすべて今までの事を水に流して錨商事の製品売込みを引き受けてくれた。九州進出も無事確立し、庄太郎の口利きで大森と麻理子、朝日奈と洋子の結婚がめでたく続いて行われる話もまとまった。
※「あらすじ」はキネマ旬報データベースの内容を元に誤記の修正や加筆を行いました。