はじめに

対象作品

 森繁社長シリーズをまとめるにあたり、当サイトではその対象作品を以下の条件より抽出しました。

1)森繁久彌が主演であること

これにより「昭和ひとけた社長対ふたけた社員」は除外。

2)笠原良三の脚本作品であること

これにより「三等重役」、「新・三等重役」シリーズは除外。また、製作:東京映画、配給:東宝の作品として森繁久彌が出演している「おしゃべり社長」という作品が存在するが、これもこの条件により除外。「森繁」と「社長」の組み合わせだけでシリーズに加えているケースを多く見るが、配役や設定といった構成もシリーズのそれとは異なっていて、同一のシリーズ作品とは言えない。そもそもこの作品は放送やDVD等で見ることができません。

一方、タイトルに「社長」の文字のない、「サラリーマン忠臣蔵」正続編、「サラリーマン清水港」正続編も笠原良三の脚本であり、そもそも東宝が社長シリーズの作品としてカウントしています。(「社長えんま帖」正編を社長シリーズ30作目と公表している)

以上の条件により、当サイトでの対象作品は東宝のカウント方式にあわせて、次の合計33作品としました。

No. 公開日 作品名 監督
 1 1956.01.03 へそくり社長 千葉泰樹
 2 1956.03.20 続へそくり社長 千葉泰樹
 3 1956.07.13 はりきり社長 渡辺邦男
 4 1958.01.03 社長三代記 松林宗恵
 5 1958.03.18 続社長三代記 松林宗恵
 6 1959.01.03 社長太平記 松林宗恵
 7 1959.03.15 続社長太平記 青柳信雄
 8 1960.12.25 サラリーマン忠臣蔵 杉江敏男
 9 1961.02.25 続サラリーマン忠臣蔵 杉江敏男
 10 1961.04.25 社長道中記 松林宗恵
 11 1961.05.30 続社長道中記 松林宗恵
 12 1962.01.03 サラリーマン清水港 松林宗恵
 13 1962.03.07 続サラリーマン清水港 松林宗恵
 14 1962.04.29 社長洋行記 杉江敏男
 15 1962.06.01 続社長洋行記 杉江敏男
 16 1963.01.03 社長漫遊記 杉江敏男
 17 1963.03.01 続社長漫遊記 杉江敏男
 18 1963.04.28 社長外遊記 松林宗恵
 19 1963.05.29 続社長外遊記 松林宗恵
 20 1964.01.03  社長紳士録 松林宗恵
 21 1964.02.29 続社長紳士録 松林宗恵
 22 1965.01.03 社長忍法帖 松林宗恵
 23 1965.01.31 続社長忍法帖 松林宗恵
 24 1966.01.03 社長行状記 松林宗恵
 25 1966.02.25 続社長行状記 松林宗恵
 26 1967.01.01 社長千一夜 松林宗恵
 27 1967.06.03 続社長千一夜 松林宗恵
 28 1968.01.14 社長繁盛記 松林宗恵
 29 1968.02.24 続社長繁盛記 松林宗恵
 30 1969.01.15 社長えんま帖 松林宗恵
 31 1969.05.17 続社長えんま帖 松林宗恵
 32 1970.01.15 社長学ABC 松林宗恵
 33 1970.02.28 続社長学ABC 松林宗恵

社長シリーズ以前

 東宝「社長」シリーズの起源は1952年に公開された「三等重役」です。この作品は戦後の公職追放で期せずして棚ボタ式に社長に繰上げされた三等(一等は創業者、二等はその後継者)重役の話です。社長を河村黎吉が演じ、森繁は人事課長という役どころでした。これは源氏鶏太の同名小説を映画化したもので、好評で続編まで作られましたが、さらなるシリーズ化の準備段階で河村黎吉が他界してしまいました。そこで以降の作品ではこれまで人事課長だった森繁久彌を社長に昇格させ、小林桂樹の秘書という形で社長シリーズがスタートしました。



 ちなみに「社長三代記」「社長太平記」などに初代社長として写真で登場している、あのちょっと怖そうな顔をした人が河村黎吉です。
(後に「三等重役」シリーズは「新・三等重役」シリーズとして森繁久彌主演で4作品が作られました。小林桂樹、加東大介といった共演陣も社長シリーズのフォーマットに近い)
 なお、東宝にはもっと大きな括りで「サラリーマン映画」というジャンルが存在しています。具体的なタイトルとしては「ホープさん サラリーマン虎の巻」(51年)、「ラッキーさん」(52年)、「一等社員」(53年)、「坊ちゃん社員」前後編(54年)などがあります。「サラリーマン忠臣蔵」はこの東宝サラリーマン映画第100作目の記念作品となっています。(本当に100作品あったかどうかは未確認)


正続編の構成

 社長シリーズは基本的には正編・続編の構成で(「はりきり社長」が唯一の例外)、この2作品をほぼ同時進行で撮影し(「社長太平記」は正続編で監督が異なることと、モノクロとカラーの差があるが、撮影の時期にずれがあったと推測される)、公開を2、3ヶ月ずらす形で封切られています。
 基本的には単独の作品として、正編と続編にそれぞれ大きな話の山があり、正編だけ見ても話が完結するような構成になっていますが、一部、正編での振りが続編に引き継がれる話題(小林桂樹の恋の行方など)も多く、できれば正続編あわせて鑑賞したいものです。続編は正編を見ていないと話の流れが分からないところがあります。
 現在DVD化されている作品の多くは正編のみですが、一部正続編とセットで出ているものもあります。このように正続編一緒に出ている作品は主たるストーリーが正編で解決せず、続編に引き継がれているためと推測されます。


どうすれば見られるか?

 以前はテレビの深夜番組などとして放送されたりしていたが、最近はそれもなくなってしまっています。今となっては、一部に不適切な言葉や表現が出てくるせいで、一般の地上波放送になじまないのかもしれません。 今これらを見るとなると、以下のような方法になります。

DVD化作品一覧

2005年に社長シリーズの多くが東宝からDVDとして発売されました。現在、大手レンタルショップの店頭にもレンタル用が並んでいます。最も手軽な方法と言えます。対象作品は以下の通り。但し、正続編が揃っているのは少なく、ほとんどが正編のみとなっています。
・へそくり社長
・続へそくり社長
・社長三代記
・社長太平記
・サラリーマン忠臣蔵
・続サラリーマン忠臣蔵
・社長道中記
・社長洋行記
・続社長洋行記
・社長漫遊記
・社長外遊記
・続社長外遊記
・社長紳士録
・社長忍法帖
・社長行状記
・社長千一夜
・社長繁盛記
・社長えんま帖
・社長学ABC

『東宝 昭和の爆笑喜劇DVDマガジン』シリーズの情報も加えて、「今でも見られるDVD一覧」のページにて情報を更新しました。(2015/03)

日本映画専門チャンネル

スカイパーフェクTVやケーブルテレビで提供されている「日本映画専門チャンネル」では定期的に社長シリーズと駅前シリーズを月替わりで放送しています。気長な話になるが、現在ではDVD化されていない作品を見るための唯一の手段と言えます。正続編を2ヶ月連続で放映することが多いです。 2009年7月より「日本映画専門チャンネル」に「東宝娯楽シアター」の時間が復活し、へそくり社長の放送が行われます。

旧ビデオ

かつて社長シリーズは東宝からビデオとして販売されていました。現在ではネットオークション等で見つけることができます。対象作品については未確認。一部、レンタルがまだ残っているかもしれません。

先代社長の写真

 社長室に、社長シリーズの原型とも言える「三等重役」の社長河村黎吉が肖像写真で登場することがあります。

まとめると以下のようになります。
・へそくり社長
・社長三代記
・社長太平記
・サラリーマン忠臣蔵
・社長道中記
・社長外遊記
・社長えんま帖
・社長学ABC   <他、現在調査中>


出演者の年齢

 主な出演者の生年月日をまとめると以下のようになります。
 驚くことに小林桂樹が三木のり平よりも年上でした。

出演者 生年月日 現年齢 *
加東大介 1911年2月18日 物故・(64歳)
森繁久彌 1913年5月4日 物故・(96歳)
久慈あさみ 1922年5月2日 物故・(74歳)
小林桂樹 1923年11月23日 物故・(86歳)
三木のり平 1924年4月11日 物故・(74歳)
フランキー堺 1929年2月13日 物故・(67歳)
新珠三千代 1930年1月15日 物故・(71歳)
淡路恵子 1933年7月17日 物故・(80歳)
草笛光子 1933年10月22日 81歳
池内淳子 1933年11月4日 物故・(76歳)
司葉子 1934年8月20日 80歳
団令子 1935年3月26日 物故・(68歳)

*現年齢は2015年1月1日現在。物故者の括弧表記は死亡時の年齢。

このエントリーをはてなブックマークに追加